ひとくちニッポン食文化論29

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知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。

あなたはご存じでしたか?

食文化クイズ㉙

【なんばん】

Q そば屋のメニューにある「鴨なんばん(なんば)」の「なんばん(なんば)」ってどんな意味?

A 「なんばん」はネギのことです。

大坂在住の知人が「かつて大阪の難波がネギの産地やったから、ネギのことをなんば、言うねん」と誇らしげに語っていましたが、残念ながら違うようです。確かになんばんはネギのことですが、難波とは無関係。

室町以降に「南蛮」と呼ばれた諸外国から入ってきたものに南蛮という言葉をかぶせました。

南蛮胡椒(こしょう)は唐辛子のこと、いまも東北などでは唐辛子をなんばんと呼んでいます。南蛮黍(きび)はトウモロコシのことです。

弥次喜多道中の「東海道中膝栗毛」に「上方にてするなんばもちとて、ねぎを入れたるざうに餅なり(上方にあるなんばん餅というのは、ネギを入れた雑煮餅のこと)」とあります。

清水圭一編「たべもの語源辞典」は「日本に永住している南蛮人が、健康保持のために、毎日ネギを食べていたので、南蛮とよんだのである」と書いています。

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