ひとくちニッポン食文化論38

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知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。

あなたはご存じでしたか?

食文化クイズ㊳

【寿司の歴史】

Q 押し寿司が主流だった関西の寿司が江戸前寿司に変わったきっかけは何?

バッテラ

A アジア・太平洋戦争直後の食糧難がきっかけでした。

戦前の関西で寿司といえば押し寿司や蒸し寿司のことで、関東はもちろん江戸前の握り寿司でした。ところが終戦から2年たった1947(昭和22)年、食糧難を背景に政府は飲食営業緊急措置令を発出し、それによって一部を除く飲食店の営業が禁じられます。寿司店をはじめ全国の飲食店は万事休すとなりました。

そこで東京の寿司店の組合が窮余の一策を編み出します。米1合を持ってくれば握り寿司10個に「加工」してあげる。寿司店は飲食店ではなく委託加工業者であると主張し、役所に認めさせたのです。

握り

関西の寿司店も同じようにするしか生き残る道はありません。右にならえで握り寿司に「加工」するようになり、その後関西でも江戸前の寿司が幅を利かせることになりました。これは日比野光敏著「すしの歴史を訪ねる」(岩波新書)に教わった話です。

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