ひとくちニッポン食文化論28

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知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。

あなたはご存じでしたか?

食文化クイズ㉘

【日本人と天然氷】

Q 「ボストン氷」って、どんな氷?

A 幕末にボストンから横浜に輸入された氷です。

当時、氷は冬だけのもので春から夏、秋には手に入らないというのが常識でした。そこに米国からはるばる天然氷が運ばれてきたのです。大変な話題になり高値で取引されて、輸入した米国人は莫大な利益を上げたそうです。

それをみた中川嘉兵衛という人が富士山麓や諏訪湖の氷を運んで貯蔵し、夏場に売ろうとしますが、途中で溶けてうまくいきません。しかし明治になって「函館氷」の販売に成功しました。以来、氷は日本人の生活に溶け込み「冷たいおいしさ」が日常のものになっていきます。機械でこしらえた人工氷の需要が天然氷を上回ったのは明治30年ごろでした。

いまは家庭の冷蔵庫には氷が常備され、コンビニやスーパーには冷たい食べ物や飲み物が山と積まれています。私たちは冷たさの有難みを忘れているのかもしれません。

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