知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。
あなたはご存じでしたか?
食文化クイズ㉗
【日本人と生野菜】
Q 日本人が日常的に野菜サラダを食べるようになったのはいつごろ?
①文明開化の明治時代
②大正時代
③戦後
A 正解は③戦後です。
野菜の漬物の歴史は鎌倉時代ごろに始まったと考えられていますが、日本人はずっと漬物がもたらすある問題に苦しんできました。野菜についた回虫などの寄生虫による様々な症状や病気です。回虫の卵は熱には弱いのですが塩分に強く、漬物にしても死なないからです。
理由は肥料が人糞尿(こやし)であったため、回虫などの卵が野菜に付着し、そんな野菜を口にすると寄生虫の卵が体内に入ります。それがきちんとわかっていたわけではありませんが、日本人は基本的に生野菜を食べなかったのです。
時代は下って日本がアジア・太平洋戦争に敗れると連合国に占領されます。主力だった米軍は日常的に食べる衛生的なサラダ用野菜が手に入りません。そこで占領軍向けの化学肥料を使って育てた野菜が栽培されるようになり、一般家庭にも入ってきました。
「日本食物史」は「昭和三十三年には米軍向けだった西洋野菜のレタス、セロリ、カリフラワーなどが普及した。同年にはフレンチドレッシングも発売され、マヨネーズソースなどの普及とともに、サラダが食卓にのぼるようになった」と書いています。