ひとくちニッポン食文化論15

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知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。

あなたはご存じでしたか?

食文化クイズ⑮

【納豆の歴史】

Q 「桜納豆」を食べる地域はどこ?

桜納豆

A 熊本県

「桜納豆」は刻んだ馬肉(桜肉)と納豆を混ぜたもので、熊本ではポピュラーな食べ物です。熊本は馬肉で有名ですから、その点は納得できますが、納豆については「?」の方が多いかもしれません。

しかし熊本は昔から納豆の飛び地と言われ、総務省家計調査によれば熊本市の世帯当たり納豆購入額は東京23区を上回っています。

では納豆をよく食べるのはどこかというと、家計調査の購入額上位10都市の中に東北6県の県庁所在地がすべて入っています。つまり納豆は東北の共通食文化です。となるとなぜ東北は納豆好きなのか。

購入額トップは福島市、2位は盛岡市ですが、この両市はどちらも海から遠く離れています。つまり1年を通してたんぱく質を海に頼ることができませんでした。そこで重要になるのが大豆です。乾燥させれば保存がきき、雪や寒さに閉ざされても命をつなぐことができます。納豆に加工すると独特のうまみと栄養が手に入りますから、こんな便利なものはありません。同じ大豆の加工食品に豆腐がありますが、盛岡市の購入額は日本一です。山間部と大豆の切っても切れない関係を物語っています。

東北には納豆発祥の地と言われる場所がいくつもあります。不思議なことにそれらの場所は平安後期に兵馬を率いて遠征した源義家の足跡が残るところと重なっています。兵糧の煮た大豆をかますに入れて馬の背にのせて運んでいたら、馬の体温で納豆になったというのです。

熊本には加藤清正が文禄慶長の役で朝鮮半島に渡った際、義家伝説と同じように自然発生的に納豆ができ、それを領地の熊本で広めたという言い伝えがあります。

どちらも文献的な根拠はないのですが、煮た大豆と稲わらが出合えば納豆ができてもおかしくありません。納豆の発生を考えるヒントになりそうです。

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