知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。
あなたはご存じでしたか?
食文化クイズ㉓
【魚の呼び名】
Q 「春告魚(はるつげうお)」ってどんな魚
A ニシンの漁獲量が減った今、各地に春告魚がいます。
大辞林第三版は「ニシンの異名」と書き、日本国語大辞典も「にしん(鰊)の異名」としています。確かに1950年ごろまでは3~5月に産卵のため大量のニシンが北海道沿岸に押し寄せ、春を告げていたので「春告魚」はニシンのことでした。
しかしその後、漁獲量が激減し、ほぼ姿を消しました。いまは春を告げていません。
その代わりに春告魚になったのがメバルです。その証拠に日本の食べ物用語辞典は「1、メバルのこと。春から初夏に旬を迎える。2、ニシンのこと」としています。
もっともこれは東日本のことで、西日本では別の魚を指します。そう魚偏に春と書くサワラです。春先に瀬戸内海にやってきます。
播磨灘や大阪湾周辺の春告魚はイカナゴです。季節になるとイカナゴのくぎ煮をこしらえます。 このほか各地に春告魚がいます。あなたのふるさとの春を告げる魚は何ですか?