ひとくちニッポン食文化論11

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知れば知るほど面白い日本の食文化にまつわる豆知識。

あなたはご存じでしたか?

食文化クイズ⑪

【板に付かない蒲鉾】

Q 板付きの蒲鉾がない県はどこ?

A 富山県です。

年末になるとスーパーのおせち材料売り場を占拠する蒲鉾。値段にかかわらずどれも蒲鉾板に張り付いていますが、逆に一年を通して板付き蒲鉾を目にしないのが富山県です。主流は昆布で「の」の字に巻いた昆布巻きと赤巻きです。

富山はかつて北前船の寄港地で、北海道から運ばれて来る昆布と親しんできました。市内のスーパーの鮮魚売り場に行けば、魚の切り身を昆布で挟んだり巻いたりしたものを売っています。いわゆる昆布締めです。

その昆布で魚のすり身を巻き込んで蒸すと、昆布のうまみが全体に行き渡り、独特の味わいが醸し出されます。ただ昆布は高いので赤く色を付けた薄いすり身を用いた赤巻きが登場します。そしてこれが富山の蒲鉾として定着し、板付きが入り込む余地はありませんでした。

富山の蒲鉾としてはタイや鶴亀などのアイテムを色鮮やかにかたどった飾り蒲鉾が知られています。主にめでたい席に登場し、結婚式などの引き出物としても活躍しています。

市内のデパートの蒲鉾売り場で一口大のハート形蒲鉾を見つけました。店の人に聞くと「バレンタインデーのプレゼント用です」という答えが返ってきました。富山では生活の様々な場面に蒲鉾が息づいています。

大手メーカーの「梅かま」を訪ねたときに「富山の小学校の図工の時間に、先生が蒲鉾板を持ってきなさいというと、親たちは血眼になって板付き蒲鉾を探します」という話を聞きました。ジョークではなくマジな話だそうです。

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