まち歩きガイドさんに教わる津軽の逸品 赤紫蘇でつつんだ津軽の伝統和菓子 第2回 ~五所川原市金木・松しま「甘露梅(かんろばい)」~

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前回もお伝えしましたが、津軽地方には赤紫蘇で包んだいろいろな郷土食や郷土菓子があります。今回ご紹介するのも津軽を代表する伝統和菓子。津軽の紫蘇で包んだ梅干しがモデルの和菓子が、太宰治のふるさととして知られる五所川原市金木にもありました。第2回の今回は太宰治ゆかりの場所や津軽三味線発祥の地である金木をご案内されている、かなぎ元気倶楽部の舛甚(ますじん)富美子さんにご紹介いただきました。

江戸の「甘露梅」をルーツにもつ伝統菓子

太宰治のふるさと金木の紫蘇巻き菓子「甘露梅」は、求肥でくるんだ餡を津軽地方の地ハーブである大きな赤紫蘇で巻いた伝統菓子ですが、同名の「甘露梅」は江戸時代にはちょっと違ったものとして親しまれていたようです。

太宰治の生家「斜陽館」

江戸の甘露梅は吉原の名物として知られ、種を抜いて甘く漬けた梅肉を赤紫蘇で包んだもの。砂糖が高級品だった時代の甘酸っぱい茶菓子として、年始の贈り物とされていたとのこと。もらえた旦那衆は上客と認められたと大変喜んだと伝えられています。

現在「甘露梅」といえば紫蘇巻きの和菓子。紫蘇で包んだ和菓子は茨城県水戸市や岩手県一関市に著名なものがありますが、それぞれ餡や求肥が違い名称も違います。また同名の「甘露梅」は神奈川県小田原市にもありますが、いずれも津軽のものと比べると小ぶりでコロっとした形状です。これは紫蘇の葉の大きさが関係しており、津軽のそれは平たく、四角く、大ぶりになっています。

平たく四角い金木の「甘露梅」

金木には現在3軒ほどの「甘露梅」の提供店があるそうですが、太宰ゆかりの金木の街並みをメディアなどでもご紹介されているガイドの舛甚富美子さんに、地元で長年愛されている「松しま」さんをご紹介いただきました。

明治天皇の妹君命名の逸品

「松しま菓子司」は津軽中里で150年続く菓子店松しまから1960(昭和35)年に独立して創業。地元で長年愛される菓子店です。ご子息が青森市で洋菓子店「キーファルンバウム」のオーナーパティシエをされており、ご実家のこちらでもその洋菓子を扱われているとのこと。和菓子・洋菓子ともに人気で、「甘露梅」はもちろんお店を代表する和菓子です。

黒あんは店内で味を決めます

金木の「甘露梅」はもともと「めぼしがし」(津軽弁で梅干菓子のこと)と呼ばれていたものを、皇族から京都瑞龍寺の門跡となった明治天皇の御令妹である村雲日栄尼が命名したとのこと。当時のお店はもうないそうですが、金木ではその味が現代に受け継がれており、「松しま」はその代表的なお店となっています。

松しま店内の様子

「砂糖がたっぷりまぶしてありますが、甘味と酸味のバランスのとても良いお菓子なんです。」と舛甚さん。ほかにも人気のお菓子があるようで「特に奴最中は大きくて、4つの味を楽しめるので、お土産にもいいですよ。」とのことです。

4種の餡の味の違いが楽しい

前回の黒石の「干梅」は白あん、金木の「甘露梅」は黒あんと個性の違う二つの「めぼしがし」。津軽に来た折には食べ比べてみるのも楽しそうですね、

松しま菓子司の松島さんとご紹介いただいたガイドの舛甚さん

松しま菓子司

住所:青森県五所川原市金木町朝日山447-3

営業時間:8:00-20:00 休日:無休

お問合せ:0173-52-2253

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