丸ゆでからたこめしまで「日間賀島のたこ」

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日間賀島は知多半島の先端にある師崎からわずか2キロの距離にある島。河和まで名鉄電車、そこから高速船に乗り継いで1時間とちょっと、名古屋都心から気軽に行ける観光の島だ。たことふぐが名物で、「多幸(たこ)の島、福(ふぐ)の島」として親しまれている。冬に限定されるふぐは、また機会を改めて紹介するとして、今回は、通年で食べられる日間賀島のたこの魅力について紹介しよう。

島に着くとたこのモニュメントがお出迎え

たこは日間賀島のシンボル的な存在だ。島に渡る連絡船は東西2つの港から知多半島に向かう。この日は名鉄で河和に向かい、そこから高速船に乗り換え、西港に到着した。連絡船を下りるとすぐに、たこのモニュメントが目に入る。訪れる観光客の多くもたこ目当てだ。テレビでも、人気番組の「孤独のグルメ」や「魚が食べたい!」で日間賀島のたこが紹介されている。

いけすの中のたこ

日間賀島周辺の海域は、複雑な潮流に加え、木曽川、長良川、揖斐川の木曽三川、さらには豊川、矢作川の恵みが交わり流れ込むことから、魚介の宝庫として知られている。 三河湾名物の大あさりをはじめ、美味しい魚介はキリがない。そんな中でも1年を通して美味しく食べられるのがたこだ。

行列が絶えない「乙姫」

実際にたこをいただこう。訪れたのは、西港の船着き場の目の前にある「乙姫」だ。1階は食堂だが、建物の上階は民宿になっており、泊まりがけで日間賀島の魚介を堪能することもできる。

丸ゆでをはさみで切り分ける

「乙姫」を訪れたらぜひ食べてほしいの日間賀島特産の「たこの丸ゆで」だ。産卵期を前にした夏は、1年を通じて食べられるたこの中でも旬の味。甘味が豊かで、ゆでても固くならない。店の奥にはいけすがあり、ここで生きたままのたこがのんびりと身をくねらせている。この新鮮そのもののたこを丸ゆでにする。

足、まるまる一本にかぶりつく

丸のままゆでたてが湯気と共に大皿に盛られてくるビジュアルは圧巻だ。これをフォークとはさみを使って切り分けていく。足1本、手づかみでかぶりつく。適度な弾力を持った歯触りは官能的ですらある。思わずビールが進む。

たこのしゃぶしゃぶ

たこのしゃぶしゃぶもいただいた。生のままのたこはゆでだこにはない弾力がある。これを薄切りにして湯にくぐらせる。あまり火が通り過ぎないところで、ポン酢をつけて、口の中に放り込む。ゆでだことはひと味違った、くにゅっとした弾力が心地いい。たこの薄切りにはわかめが添えられているのだが、これを一緒に食べるとまた格別だ。あっさりとしたたこの甘みとわかめの豊かなうまみが絶妙に絡み合う。

わかめと一緒にポン酢で

頭の部分も食べられる。はさみを入れると中には卵が。吸盤がない分、歯触りは柔らかめだ。気をつけておきたいのは、丸ゆでなので、たこの大きさによって価格が変動すること。そして、かなりのボリュームだということ。男二人で訪れ、たこめしなども堪能したこともあり、食べきれなかったほどだ。

頭の中には卵も

せっかくなので、三河湾名物の大あさりも注文した。正式名称をウチムラサキといい、実はあさりとは属が異なる。大きく、身が柔らかいのが特徴で、多くは貝ごと焼いて食べる。しょうゆを少したらして焼くのだが、身の味わいだけでなく、しょうゆとともに貝殻にたまったスープがゼッピンだ。ぜひとも、こぼさないで飲み干してほしい。

三河湾名物大あさり

シメはもちろんたこめしだ。米は餅米を使用、たこと一緒に炊き込んである。たこの色素で赤く染まり、ごまを振ったそのビジュアルはまるで赤飯のようだ。たこは丸ゆでやたこしゃぶで十分食べているので、たこめしでは脇役だ。むしろ出しの味わいを堪能したい。

シメはたこめし

味噌汁はもちろん赤だし。添えられた佃煮などもいい味だ。時折小鉢に箸を伸ばしながら、たこめしを掻き込む。シンプルな炊き込みご飯は、たこをフルコース的に味わった後にはちょうどいい。

副菜も豊富

連れはしらすめしでシメた。たっぷりと盛られたしらすもまたご飯が進む。

しらすが山盛り

食後、腹ごなしに島を歩いて1周した。1時間ほどで回れるほど島はコンパクトだ。とはいえ、適度に起伏があり、腹ごなしにはちょうどいい。至る所でたこつぼが目に入る。別の料理店でも、たこが看板メニューだ。やはりたこの島だ。西港から時計回りに歩いて東港に出ると再びたこのモニュメントに再会した。

東港で再会

その後再び西港に戻り、帰りは師崎港へ渡った。ここからバスで名鉄内海駅へ。そして特急で名古屋へ戻る。豊橋方面からは、渥美半島の伊良湖から高速船に乗ることもできる。複数のルートがあり、便数も豊富だ。いかに観光地として人気が高いかを痛感した。料理も観光地にしては、お手頃価格だった。気軽に行けて、満足度も高いだけに、ぜひ一度足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

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