早い・安い・うまい「今治焼豚玉子飯」

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白いご飯にチャーシュー、目玉焼き。これらを「嫌い」という日本人はそう多くはないはずだ。米も卵も豚肉も、日本中どこでも手に入るごく日常的な食材だ。そんな3つが組み合わされた、愛媛県今治市のご当地グルメ、今治焼豚玉子飯は、誰からも好かれ、簡単に作れる、究極の日常食だ。

中華料理店のまかないとして誕生

「白楽天」の今治焼豚玉子飯
「白楽天」の今治焼豚玉子飯

今治市は、瀬戸内海のほぼ中央部に位置し、古くから政治、経済、文化の中心地として栄えた。中世には村上氏などの伊予水軍が台頭、江戸時代に入ると城下町として発展した。現在は日本一のタオル生産地として知られるとともに、造船業も盛んだ。工場の町として、鉄板で焼くやきとりなど、特色のあるご当地グルメも数多い。今治焼豚玉子飯も、そんな今治特有のご当地グルメの一つだ。

今治のやきとりは鉄板焼き
今治のやきとりは鉄板焼き

今治焼豚玉子飯は、約50年前、市内にあった中華料理店、いまはなき「五番閣」のまかない料理として誕生した。忙しい店内で手早く栄養が取れるよう、調理の過程で出た焼豚の切れ端に、半熟の目玉焼きをのせ、そこに焼豚の煮汁をかけて食べたのが始まり。

市内の約60店で提供

黄身半熟の目玉焼きがマストアイテム
黄身半熟の目玉焼きがマストアイテム

従業員の間でそのおいしさが評判になり、そのままお店の正式メニューになった。さらに「五番閣」から独立した料理人が開業した「白楽天」で、その人気に火が付き、今治市民のソウルフードとして、今では市内の約60店で提供されている。焼豚の厚さや部位、目玉焼きの個数や焼き加減、タレの濃度など、お店ごとに特徴があり、食べ比べするのも楽しい。

たれさっとかける
たれさっとかける

その調理法は極めてシンプル。どんぶりに白いご飯をよそい、薄切りにした焼豚をのせて甘辛いたれをさっとかける。イベントなどでは、事前に鉄板で焼豚を温めることも。そこに半熟の目玉焼きをのせたら、さらにたれをかけて、最後にコショウをさっとひと振り。焼豚はすでに調理済みの食材、目玉焼きも黄身の半熟がマストアイテムのため、調理時間はわずか数十秒に過ぎない。

半熟の目玉焼きがポイント

仕事の合間に手早く食べられる
仕事の合間に手早く食べられる

そもそもまかない料理として、仕事の合間に手早く食べられるように編み出された経緯もあるが、気が短く、ゆっくり料理の出来上がりを待てない今治人気質がまた、誕生、人気の背景にある。

流れ出る黄身がうまさの秘訣
流れ出る黄身がうまさの秘訣

今治の人たちが特にこだわるのが目玉焼きだ。「目玉」は堅焼してはいけない。黄身はほぼ生が不可欠だ。卵を崩し、流れ出る黄身と焼豚、たれとご飯の絡み合いが、今治焼豚玉子飯の最大の魅力だ。イベント出展の際も、手に入りやすい食材にもかかわらず、地元からブランド卵を持ち込むなど、目玉焼きへのこだわりはひとしおだ。

「白龍」の中は目玉焼きが3個仕様
「白龍」の中は目玉焼きが3個仕様

なので、目玉焼きは、人気店「白楽天」では、1人前2個がデフォルト。「白龍」は中サイズで目玉焼きが3個ものる。食べ方も箸ではなく、れんげで食べるのが作法だ。流れ出た黄身を存分に味わうには、箸ではなく、れんげで黄身ごとすくって口に運ぶ。掻き込むような食べ方もまた、気が短い今治人気質の表れだ。

B-1グランプリの人気メニューの一つ

今治焼豚玉子飯世界普及委員会
今治焼豚玉子飯世界普及委員会

2011年の姫路大会から、地元の市民団体、今治焼豚玉子飯世界普及委員会が、B-1グランプリに出展。初出場以来、2度のブロンズグランプリ(3位)受賞実績を持つ。2012年の近畿・中国・四国B-1グランプリin鳥取、2017年の西日本B-1グランプリin明石では、ゴールドグランプリ(1位)にも輝いた。

早い・安い・うまいの3拍子がそろった今治焼豚玉子飯。今治に食べに行くのがもちろんベストだが、自宅で気軽に作って食べられるのもまた魅力だ。

今治焼豚玉子飯世界普及委員会

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