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絶対に外さない定番の味 ぎょうざの満州

投稿日:2026年8月28日 投稿日: (更新日:

本格中華料理の水餃子が、中国東北部のスタイルである焼いて食べる鍋貼(グオティエ)として日本で広く普及した餃子。宇都宮市と静岡県浜松市に宮崎市を加え、その消費量を競うなどすっかり日本の風土に溶け込んだ感がある。また、サイズや焼き方などに地域差があり、各地で「ご当地餃子」として愛されている。埼玉県で愛されているのは「ぎょうざの満州」の餃子だ。

埼玉の餃子といえば「ぎょうざの満州」
埼玉の餃子といえば「ぎょうざの満州」

「ぎょうざの満州」は、1964年創業、2026年4月現在、埼玉県を中心に104店舗を展開する中華料理チェーンだ。一部関西にも店舗を持つが、創業の地である所沢を中心に、埼玉県から、西武線が通じる東京都西部へ、そして北は高崎や前橋、伊勢崎と言った群馬県にも店舗を広げる。その店舗網は所沢を中心に円を描くように広がっており、100店を超えるチェーン店にも関わらず、千葉県民や神奈川県民は店名すら知らないほど知名度が低い。

あんも皮もオーソドックスな味
あんも皮もオーソドックスな味

一方で、埼玉県内、特に西武線沿線では、郊外のベッドタウンの駅前に立てば、必ずその看板が目に入るほど愛されている。合言葉は「ぎょうざの満洲は駅のそば」で、会社帰りはもちろんのこと、主婦のお昼ご飯に、休日の外食にと、その手頃な価格も相まって、地元に深く根を下ろしている。

目指すのは毎日食べても飽きない味
目指すのは毎日食べても飽きない味

「ぎょうざの満州」のホームページに掲載された「毎日食べても飽きない味を目指してまいります」という同社の池野谷ひろみ会長のメッセージに、同チェーンのスタンスが明確に現れている。定番メニューを一通り味わってみての印象は「絶対に外さない定番の味」「究極のオーソドックス」だ。特別に美味しい、突出した特色がない半面、「普通に美味し」く、一定のクオリティーは絶対に外さない。まさに毎日食べても飽きない味だ。

冷凍の持ち帰り餃子は20個で500円
冷凍の持ち帰り餃子は20個で500円

そしてリーズナブルな価格設定。「原材料費に3割かける」という方針から「3割うまい!!」をキャッチフレーズに掲げる。食材価格から逆算すれば、おのずと適正な価格設定が見えてくると言うわけだ。さらに「3割うまい!!」には、素材の良さと商品の安全性、販売価格の適正化、従業員への思いやり、お客様への利益還元といった想いも込められている。

チャーハンも人気
チャーハンも人気

近年では、「リンガーハット」や「モスバーガー」での野菜生産者との協働が注目されているが、「ぎょうざの満州」でも、自社ファームで野菜を生産し、素材本来のおいしさを追求している。自然相手だけに収穫時期や収量がばらつきがちな野菜の仕入れを全国各地の農家と手を結び、安定的な提供に結びつけている。

「ぎょうざの満州」本店
「ぎょうざの満州」本店

店を訪れて、その味を実際に体験してみよう。訪れたのは、西武新宿線新所沢の駅前にある「ぎょうざの満州」本店。別館も隣接するなど「本店の威容」が感じられる。かつては、工場も店舗に併設していたが、鶴ヶ島市、さらには坂戸市に工場を移転。現在は、2019年に竣工した川越工場に本社登記されている。

看板メニューの焼き餃子
看板メニューの焼き餃子

まずはやはり看板メニューの餃子を食べないわけにはいかないだろう。餃子には焼き餃子のほか水餃子、天然海老入り水餃子の3種類があり、焼き餃子と水餃子にはハーフサイズの3個も用意する。豚肉には、ジューシーで柔らかな肉質を誇る青森県八戸市で生産される美保野ポークをはじめ、こだわりの国産豚肉を使用。皮の小麦粉や野菜も100%国内産を使用する。

水餃子
水餃子

にんにくも入っているがさほど多くはない。関東のご当地餃子としては、隣県・千葉県野田市の「ホワイト餃子」が有名だが、揚げ焼きにするなど非常に個性的な味のホワイト餃子に対し「ぎょうざの満州」の餃子は極めてオーソドックス。レシピ通りの餃子と言っていいほどの「標準的な味」だ。それは水餃子も同様だ。餃子そのものは一緒で、焼いてあるか茹でてあるかの違いだ。

天然えび入り水餃子
天然えび入り水餃子

店舗限定で提供していたのが天然えび入り水餃子。天然えび、豚肉、野菜を使ったあんを餃子の皮で包み込んで茹でたもの。料理名に天然えびを冠するだけに、えびの旨みがはっきりと分かる味を期待していたが、ほんのり香る程度だった。やはり突出した個性ではなく、番人受けする味を狙っているだろうことが推察できた。

満州しょうゆラーメン
満州しょうゆラーメン

中華料理店に必須のラーメンは、しょうゆにのみ「満州しょうゆラーメン」と店名がブランドとして入る。その味は餃子同様極めてオーソドックスだ。だしもしょうゆも濃すぎず、かといって薄くもない、絶妙の味付けになっている。中細麺やメンマも含めて、まるで「お手本のような仕上がり」だ。添えられたワカメが、数少ないアクセントと言える。

玄米が半分混ざったチャーハン
玄米が半分混ざったチャーハン

チャーハンもやはりオーソドックスだ。特にその味付け。絶妙な薄味に仕上げられている。薄味は、添えられたスープも同様だ。かといって、決して物足りない味ではない。酢じょうゆで食べる餃子や一品料理と合わせて食べるにはちょうどいい塩加減と言えるだろう。白米だけでなく、玄米が半分混ざっているのが特徴だが、実際食べてみると、玄米はあまり気にならなかった。

回鍋肉
回鍋肉

一品料理もオーソドックスな仕上がり。回鍋肉を頼んでみたが、店によっては辛さを加えた味付けもあるが、辛さは感じなかった。辛い味が苦手な人や子供でも安心して食べられる味付けと言える。

スヒヤシ
スヒヤシ

そんな老若男女に等しく受け入れられるだろう味付けと共に、ポリシーが感じられたのがお手頃価格へのこだわりだ。単に安くすると言うのではなく、一定のクオリティーを担保した上で、客単価を低く抑えようという意図が感じられた。その象徴とも言えるのが素ラーメンの存在だ。安い食材を使って単価を下げるのではなく、シンプルにすることで「もうひと品」へのニーズに応えようとする工夫のようだ。今回は夏なので、スヒヤシを頼んでみた。具が載っていない麺とつゆだけの冷やし中華だ。

味は冷やし中華そのもの
味は冷やし中華そのもの

メニュー構成や価格設定、オーソドックスな味付けなど、「餃子の王将」や「日高屋」といったチェーン店に近い印象を受けた。しかし、全国チェーンよりも細かく駅前に出店することで、地元客の「普段使い」により寄り添った店舗展開をしていると感じた。部屋着で行ける埼玉の町中華、「ぎょうざの満州」はそんなローカルチェーンなのかもしれない。

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