滝桜を見に行く

投稿日:2026年5月17日 投稿日: (更新日:

4月の声を聞くころ、福島県にも桜の季節がやって来た。あちこちで早咲きの桜が花開き、自宅から徒歩圏にある開成山公園の桜並木も満開まであと少しとなった。福島の桜といえば三春町の滝桜だ。思い立って4月の9日、三春町へと車を走らせた。

三春町は郡山の東隣。30分もあれば着く。その日は快晴で風もない。絶好の桜日和だった。郡山市立美術館に至る道を美術館通りと呼ぶ。その道を通って三春町に入れば、至るところに桜が咲いている。滝桜がエドヒガン系ベニシダレザクラだからか、圧倒的に枝垂桜が目に付く。これも枝垂れ、あれも枝垂れという光景に出合ったのは初めてだ。

途中、大行列の店があった。「とらや分店 田村や」だ。白河市の「とら食堂」の分店なのだが、白河に行かなくても名店のラーメンが食べられるというので行列が絶えない。この日は滝桜見物の客も加わっていつも以上の賑わいのようだ。そんな様子だけ車窓から眺めて先に進む。

滝桜が近づくにつれ前の車がスピードを落とし、やがてのろのろ運転になってとうとう止まった。滝桜の駐車場待ちの渋滞だ。少し進んでは止まりを繰り返すこと30分。どうにか駐車場の一番奥のスペースを確保できたのは自宅を出て1時間後だった。

駐車場から滝桜に向かう途中に料金徴収所。観桜料500円を支払って中に入る。様々な出店が祭りのような気分を醸し、大勢の人々が行きかっている。急ごしらえの通路を歩き、滝桜の全容が見える場所に出た。その大きさ、見事さに心の中で「どかん」という音がした。

高さ13.5メートル、根回り11.3メートルあって樹齢は推定1000年以上という。大正11(1923)年に桜の木としては初めて国の天然記念物に指定された。滝桜の前にできた行列の誰もがスマホのカメラをかざしている。私も何枚かパシャリとやった。

昼時になった。しかし周辺は農村地帯だから飲食店はない。そこで「三春の里 田園生活館」に向かった。産直の店、飲食店、温泉、宿泊施設、ドッグランなどが備わっていて、郡山に移住した直後に来たことがある。やはりと言うべきか、滝桜見物の人々と思われる客でレストランは埋まっている。せっかく来たので手作りのジェラートを買った。

帰路、村田やを覗いてみた。11時開店2時半閉店のはずだが、まだ2時前だというのに「材料がなくなったので閉店します」と書いた看板が立てかけられ、注文済みらしい何人かの客が席の空くのを待っている。この辺りでは滝桜のころが1年で1番の観光シーズンなのだろう。

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