梅雨が明ければ、いよいよ夏。水温がぬるむ夏、三陸はウニの旬を迎える。テレビドラマ「あまちゃん」で全国に知られるようになった、岩手県久慈市、小袖海岸の海女。水温の低い北の海では、夏が海女漁のシーズンとなる。
![店頭に並ぶ牛乳瓶うに](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/1db0e7f51df2b8ad2cf7e4628a5951ae.jpg)
新鮮なうにというと殻付きのイメージが強いが、実はちょっと食べにくかったりもする。そんな人におすすめなのが、岩手県三陸沿岸の牛乳瓶うにだ。
![小袖海岸で行われた海女のうに漁](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/9fedcd37b246e97a8a621ce66b82ede2.jpg)
小袖海岸の海女たちは素潜りでうにを獲る。漁が始まるのは、例年7月ごろだ。海開きの日には、漁に先駆けて神事も行われ、毎年多くの観光客でにぎわう。小袖の海女たちは、漁で獲ったウニをその場で殻から出してしまう。すし屋などでよく見かける、木の柵に盛られた「柵ウニ」にするのかというとそうではない。殻から出したうには、海水で洗い、なんと牛乳瓶に詰めるのだ。塩うにではない、生うにを瓶に詰めるのだ。
![海から上がったらその場で加工](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/44fd05934e55bf1535a5dcb80223c1b0.jpg)
うにのシーズンになると、三陸沿岸のホームセンターには、ずらり牛乳瓶がならぶ。うに詰め用の牛乳瓶だ。鮮魚店でも、店頭に並ぶのは牛乳瓶うにだ。
![牛乳瓶は「うに用品」?](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/7015e886a69e9cf4ae3152590596c4c4.jpg)
海から上がってすぐ詰められるのだから、鮮度は抜群だ。そして、牛乳瓶の中には、うにとともに微量の海水も詰まっている。この海水の塩分が、いい調味料にもなる。牛乳瓶うにを食べるときはまずはひと口、何もつけずに食べてほしい。磯の香りが味わえるはずだ。
![獲れたてのうには鮮度抜群](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/76df27cced52edb9947d05bdad1aaf32.jpg)
海から上がってすぐむいて、瓶詰めされるので、とにかく鮮度がいい。時間がたつと、表面がとろけてくるものだが、鮮度のいい牛乳瓶うにはそんなことはない。表面がつぶつぶと、エッジが立っている。口に含めば濃厚な味わいを楽しめる。
![鮮度抜群の牛乳瓶うに](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/2c128396977706767ca34f1910e31fc1.jpg)
この時期、なかなか岩手を訪れにくいが、ネット通販なら鮮度抜群のまま取り寄せられる。岩手県産品を扱う「Olahono~オラホノ~オンラインショップ」はじめ、三陸各地の通販サイトで販売されている。東京都心なら、岩手県アンテナショップ「いわて銀河プラザ」でも定期的に入荷される。せっかくの生うになので、入荷日をチェックの上、新鮮なものを味わいたい。
![海苔との相性もいい](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/23f9f0f06072bcd03183d50c71751907.jpg)
食べ方としては、まずはそのまま何もつけずに。その後はわざびじょうゆでいただくのもいいだろう。
![鮮度抜群のうにをうに丼に](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/f39b1d0eae876fd139e6e52e2bbc887a.jpg)
牛乳瓶1本で、おおよそ150グラムのうにが詰まっている。これだけあれば、うに丼にするのもいいだろう。炊きたてのご飯、酢飯でもいいだろう、その上に刻み海苔を散らし、大葉を座布団にしてうにを盛る。さわびじょうゆで頬張れば、それだけで幸せだ。
![瓶の中にはうにがたっぷり詰まっている](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/4d66e30e00a4cc3a5ebf8afa57e73403.jpg)
地元では、卵とじのウニ丼も食べる。どんぶり飯でウニを食べる場合は、生ウニよりも卵とじにする方が多いという。生でも食べられるウニだけに、卵とじにしても味は濃厚だ。煮ても形崩れはしない。ウニの味が卵とまざりあってしまうのではと心配したが、生で食べるよりも、ウニの甘さや香りが際立つ。たれの染みたご飯も抜群だ。生ウニ丼に比べて価格も手ごろなので、地元を訪れた際には、ぜひ味わってみてほしい。
![卵とじのウニ丼](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/905b2df6209605e4aa31f10acaa9fcae.jpg)
加熱したうにの食べ方として、ぜひ覚えておいてほしいのが、青森県八戸市の郷土料理、いちご煮だ。せんべい汁で知られる八戸市は、三陸海岸のいちばん北に位置し、やはりうにになじみの深い土地柄だ。特産のあわびとともに潮汁で煮た、ぜいたくな汁ものがいちご煮だ。
![八戸のいちご煮](https://www.gastronomy.town/wp-content/uploads/2021/07/68509a797c0f3208145f3c49f49ab8a0.jpg)
いちご煮といっても、もちろんイチゴは入っていない。お椀に盛り付けたとき、汁に沈むうにの姿が、 朝靄の中の野いちごのように見えることから 名づけられた。だしの味が抜群なので、ぜひうに丼の供にして味わってほしい。